「ブラックボックス」なお店検索サイト
飲食店を中心に,たくさんの情報の中からお店を検索できるサイトが人気です。
多くのサイトで,「このお店を見た人はこちらのお店も見ています」とか「近くのほかのお店はこちら」といった,別のお店も横断的に閲覧できるリンクが設けられています。口コミが載せられていることも多く,便利に使えるしくみになっています。
ところで,一見中立な立場に見えるサイトの運営側が,実は一部のお店と強く結びついていたとしたら,どうなるでしょうか?
横断閲覧のためのリンクのしくみはブラックボックスですから,実はその一部のお店が載る割合が多くなっているかもしれません。
あるいは,一部のお店に対してのみ,口コミを載せる・載せないの運営側による判断が異なっているかもしれません。
その結果,一般利用者は,知らず知らずのうちに,その一部のお店に多く誘導されてしまうことになります。
もちろん,サイト運営も事業ですから,登録費を多く支払っているお店の情報を重点的に載せるという手法はあってよいと思われます。
もっとも,その場合でも,少なくとも登録費を多く支払うプランの存在が全てのお店に対して提示されているべきです。さもなくば,そのサイトは,お店や一般利用者のサイトに対する中立な立場であることへの信頼・期待を裏切っていることになります。
同じ理由で,可能な限りブラックボックスはなくされるべきです。
お店や一般利用者も,そのお店検索サイトが実は一部のお店への利益誘導のしくみではないかという可能性を頭の片隅においておくほうがよさそうです。